2025年10月のWindows10サポート終了を前に、多くのRIKCADユーザーがPCの買い替えに頭を悩ませているのではないでしょうか。
「Windows11に移行して、本当にRIKCADは問題なく動くの?」 「そもそも、今のバージョンと新しいPCの相性ってどうなんだろう?」 「高価な買い物だから、絶対に失敗したくない…」
何を隠そう、私自身が今、全く同じ壁にぶつかっている当事者の一人です。
この記事では、単にメーカーが発表する推奨スペックをなぞるだけではありません。 現在進行系で私自身が新しいPCを選ぶために調査している「リアルな情報」と「プロの視点から見た判断のポイント」を、包み隠さず共有していく、いわば”PC選びドキュメンタリー”です。
この記事を読み終える頃には、あなたの中に「自分だけのPC選びの軸」が確立されているはずです。 一緒に、この複雑な問題を解決していきましょう。
【追記・速報:2025年9月28日】ついにWindows11へ更新!RIKCAD 8の動作検証レポート
先日、この記事で懸念していたWindows11への更新を、ついに断行しました。 メーカー推奨外のため不具合も覚悟していましたが、現時点では、RIKCADの再インストールも不要で、問題なく起動・動作することを確認しています。
これはあくまで私の環境での速報値です。今後、実務で使いながら気づいた点(もし不具合があればそれも含めて)、この記事にさらに追記・更新していきます。
【追記:10月5日】Windows11での実務1週間後レポート
Windows11(24H2)に更新してから1週間、実際の業務で10件の作図にRIKCAD 8を使用してみました。
結論から言うと、私の環境では全く問題なく、安定して動作しています。
- フリーズや強制終了: 一度も発生せず
- 動作の遅延: Windows10の時と変わらず快適
- データの破損など: もちろん皆無
メーカー推奨外ということで少し不安もありましたが、拍子抜けするほどスムーズに使えているのが正直な感想です。
これはあくまで私のPC環境での結果ですが、「本当に大丈夫?」と不安に思っている方の一つの参考になれば幸いです。今後も何か変化があれば、この記事に追記する形で報告していきます。
【2025年11月1日 更新】
公開当初、Intel 13/14世代のCPUを搭載したPCをお勧めしていましたが、その後の状況変化と私の最新の知見に基づき、現在のおすすめ構成を全面的に見直しました。特に、仕事で使う道具としての「リスク回避」を最優先した私の正直な見解を共有します。
なぜ今、RIKCADのPC選びはこんなに難しいのか?

問題1:迫りくるWindows10のサポート終了
最新の「RIKCAD 12」以降のバージョンをお使いなら、Windows11でも問題なく動作します。しかし、私のように業務の都合で旧バージョン、具体的には「RIKCAD 8」を使っているユーザーにとっては、これは深刻な問題です。Windows11へ移行すると、予期せぬ不具合が発生するリスクを抱えることになります。
問題2:元請けの都合に左右されるバージョン問題
「最新版にアップグレードすればいい」とは限りません。私の場合、元請けが使用するバージョンに合わせて作業する必要があり、自分だけ最新版にするのは現実的ではないのです。(※ただし、最新版のRIKCAD 12は旧バージョンのファイルを開けるため、もし私がアップグレードすればバージョンダウン保存の手間はなくなります) この**「自分ではコントロールできない不確定要素」**が、PC選びをさらに困難にしています。
問題3:メーカーの「推奨OS」という見えない壁
当然ながら、メーカーにRIKCAD 8とWindows11の互換性について問い合わせても、答えは「推奨していません」。この3つの問題が絡み合い、多くのユーザーが「PC選びの迷路」に迷い込んでいるのです。
失敗しないPCを選ぶための「判断軸」の作り方

ここが最重要ポイントです。メーカーの推奨スペックは、新しいバージョン(RIKCAD 12)の登場により、大きく更新されました。
公式サイトで発表されている最新の推奨スペック

GPU (グラボ/RTXシリーズ): 3D描画の要。ここが最も重要な更新点です。最新のRIKCAD 12では、GPUメモリは最低でも6GB、Twinmotionを利用するなら8GB以上が必須となりました。数年前の「4GBで十分」という常識は、もう通用しません。
CPU (Core i7以上): 人間でいう「頭の回転の速さ」。最上位モデルが必須ではないですが、快適な作業のためにはCore i7以上が基準となります。Core i9やUltraまでは必要ではないとメーカーさんからも言われています。
メモリ: 「作業机の広さ」です。最新のRIKCAD 12では公式に32GB以上が推奨されるようになりました。複数のソフトを立ち上げながら作業するなら、もはや32GBは必須と言えるでしょう。
PC本体だけじゃない!快適な作業環境を作る「周辺機器」という視点
正直に言うと、私はPCパーツの専門家ではありません。だからこそ、私たちの目的である**「RIKCADの副業で、快適に稼ぐ」**という視点から、「これだけは押さえておくべき」と判断したポイントに絞って解説します。
- モニター: 図面の視認性に直結します。フルHD(1920×1080)でも作業は可能ですが、より広い作業領域を確保できるWQHD(2560×1440)以上のモニターを一度使うと、もう元には戻れません。
- 入力デバイス (マウス・キーボード): 長時間作業の疲労を軽減し、思考を止めないための重要な要素です。特に、自分に合わないマウスを使い続けることは、大きなストレスになります。私のマウス選びの考え方や、左手デバイスの活用法については、別記事で詳しく解説していますので、そちらも参考にしてください。
スペックだけ見れば、ゲーミングPCはRIKCADの要求を満たせそうに見えます。しかし、ここに落とし穴があります。
メーカーに確認したところ、OSはWindows 11のHome版でもPro版でも、動作に支障はないとのこと。問題はそこではありません。
本当の注意点は、GPUのビデオメモリ(VRAM)です。最新のRIKCAD 12では、リアルタイムレンダリングソフト「Twinmotion」の利用を想定し、VRAM 8GB以上が強く推奨されています。 安価なゲーミングPCに搭載されているGPUでは、この基準を満たせないケースが少なくありません。「ゲーミングPCだから大丈夫」と安易に判断せず、必ずGPUのスペック詳細、特にVRAMの容量を確認することが、失敗しないための絶対条件です。
どこで買うのが正解?3つの購入方法を比較

スペックが決まったら、次に悩むのが「どこで買うか」です。それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
- BTO(受注生産)PC: マウスコンピューターやドスパラなど。
- メリット:コスパが良く、自分好みにカスタマイズできる。
- デメリット:納期がかかる場合がある。
- 大手メーカー製PC: NECや富士通など。
- メリット:サポートが手厚く、家電量販店でも買える安心感。
- デメリット:価格が高めで、カスタマイズ性が低い。
- 自作PC:
- メリット:最も安く、完全に自由に組める。
- デメリット:専門知識と手間が必須。トラブルは自己責任。
私の結論:副業ワーカーなら「BTO」が最適解
専門知識がなくても、必要なスペックを過不足なく選べて、コストも抑えられる。そして何より、何かあった時にメーカーのサポートを受けられる。このバランスの良さから、私たちのような副業ワーカーにはBTOが最も合理的だと、私は判断しました。
【結論】私がPC選びでたった一つ後悔したこと

RIKCADの副業を始める際、私が最初に準備しなければならなかったのが、快適に動作する性能を持ったパソコンでした。メーカーの方に相談し、使用するRIKCAD8の推奨スペック(Windows10限定、Intel製CPUなど)を確認。価格と相談しながら、条件に合うリファブリッシュ品の17インチノートPCを見つけ出しました。
ちなみに、その時に私が購入したPCのスペックは以下の通りです。
- デバイス名: ASUS-TUF17
- CPU: 11th Gen Intel(R) Core(TM) i9-11900H @ 2.50GHz
- メモリ: 16.0 GB
- GPU: NVIDIA GeForce RTX3060
レンダリングを行うわけではなかったので、GPU(グラフィックボード)はそこまで高性能なものは選びませんでした。しかし、ここに私のたった一つの後悔があります。
それは、メモリを32GBにしておかなかったことです。
複数のソフトを立ち上げたり、複雑な図面を開いたりすると、メモリ不足が原因でPCの動作が遅くなることがありました。ノートPCということで、作業中に熱がこもってフリーズしてしまうことも…。 この経験から、私が学んだ教訓はただ一つ。「PCスペック、特にメモリだけは、絶対に妥協してはいけない」ということです。
【予算別】後悔しないための3つの選択肢(2025年11月最新版)
「PCは高い買い物だし、一度買ったら長く使うものだから絶対に失敗したくない」
その気持ち、痛いほどよく分かります。だからこそ、私の最新の知見と、RIKCADオペレーターとしての正直な視点で、後悔しないためのPC選びの基準をお伝えします。
【重要】RIKCAD 8ユーザーが直面する“ジレンマ”
現在、PC選びは非常に困難な局面にあります。
- Intel 13/14世代の一部(特にi9)で、高負荷時の不安定動作が報告されています。仕事道具としては、このリスクは避けたいところです。
- かといって、AMD製CPUは、RIKCAD 8ではメーカー非推奨(動作保証外)です。
- Intel Core Ultra(最新世代)は魅力的ですが、非常に高価です。Core iシリーズからCore Ultraシリーズへの移行で性能をしっかりと比較検討する必要が出てきました。
この“ジレンマ”の中で、私たちが取りうる現実的な「選択肢」は、以下の3つに絞られます。
1. 選択肢①:【安定・堅実】の実績を取る「Intel 第12世代」
推奨CPU: Intel Core i7-12700K や Core i9-12900K
「最新」ではありませんが、「最適」という観点では非常に強力な選択肢です。
- ポイント: 第12世代は、性能と安定性が両立した「名機」として評価が確立しています。不安定性の報告もなく、RIKCAD 8を動かすには十分すぎるほどのパワーを持っています。
- メリット: 何よりも「安心して使える」という信頼感があります。また、世代が新しくなったことで価格もこなれており、30万円以下でメモリやGPUに予算を回した、強力な構成を狙える、最も現実的で賢い選択かもしれません。
2. 選択肢②:【将来性・最高性能】の「Intel Core Ultra(シリーズ2)」
推奨CPU: Intel Core Ultra 7 または Core Ultra 9 (シリーズ2)
予算に余裕があり、PC本体も長く使うことを見据えるなら、最新技術に投資する選択です。
- ポイント: これまでの「Core i」シリーズから設計を一新し、電力効率やAI性能が向上しています。もちろん、13/14世代のような不安定性の心配もありません。
- デメリット: まだ登場したばかりで、価格が非常に高価です。30万円の予算内で高性能な構成を組むのは難しいかもしれません。RIKCAD 8が、その最新機能(NPUなど)の恩恵を受けられるかも未知数です。
3. 選択肢③:【バランス・妥協点】としての「Intel 第14世代 Core i7」
推奨CPU: Intel Core i7-14700K
これは、「リスクをゼロにはできないが、コストと性能のバランスを取る」という、やや上級者向けの選択肢です。
- ポイント: 不安定性の報告は、主に高負荷を極限までかける最上位の「i9」に集中していました。**「i7」**であれば、そのリスクは比較的低いと考えられます。第12世代よりは新しく、Core Ultraよりは安価、という絶妙なポジションです。
- 注意点: 「絶対に安全」とは言い切れません。購入する場合は、信頼できるBTOメーカーを選び、マザーボードのBIOSが最新であることや、冷却性能が十分であることを必ず確認する必要があります。
メモリとストレージ:ここだけは絶対に妥協しない
どのグレードのPCを選ぶにしても、メモリとストレージだけは、ケチってはいけません。
- メモリ(RAM):最低32GB、推奨64GB
- 私のたった一つの後悔が、メモリ不足でした。RIKCADは多くのメモリを消費します。複数の図面を開いたり、ブラウザや他のソフトを同時に立ち上げるなら、最低でも32GBは必須です。64GBあれば、将来にわたって安心できます。
- ストレージ(SSD):最低1TB、推奨2TB(NVMe接続)
- HDDは論外です。OSやRIKCADの起動速度、ファイルの読み書き速度に直結するため、高速なNVMe接続のSSDを選びましょう。図面データは日々増えていくので、1TBではすぐに手狭になります。予算が許せば2TBを推奨します。
ハコが今、まさに悩んでいること(正直な気持ち)
実は、このおすすめ構成を提示している私自身も、今まさにPCの買い替えで悩んでいます。
現在使用しているノートPCはまだ使える状態ですし、Core Ultraシリーズは非常に魅力的ですが、価格が高く、経費申請しても30万円以下で今年中に一括計上したいという制約もあります。メーカー非推奨のAMDを選べない以上、選択肢はIntelに絞られますが、第14世代のリスクをどう考えるか…。
最終的には「仕事で使う道具だからこそ、リスクは最小限にしたい」という気持ちが強く、「選択肢①:Intel 第12世代」が、今買い替えるなら最も合理的なのではないか、と傾いています。このリアルな悩みが、あなたのPC選びの一助となれば幸いです。
PC選びは「未来への投資」
PC選びは、単なる道具選びではありません。あなたの作業時間、時給、そして未来の働き方を左右する、重要な「投資」です。
この記事が、あなたが後悔しない一台を見つけ、RIKCAD副業で最高のパフォーマンスを発揮するための一助となれば幸いです。
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