小規模企業共済の貸付制度を利用した投資がお得って聞きました。
貸付することで利息を払ってもお得なのか教えてほしいです。
貸付制度の利息を払ってもお得かどうかは人によって異なります。
シミュレーションした結果を比較しているので参考にしてください。
小規模企業共済の貸付制度で投資!所得の多い人がお得!
小規模企業共済の貸付制度で投資をしてお得な人は所得の多い人です。
小規模企業共済やiDeCoの掛け金などは、全額所得控除になるので
所得が多く、所得税をたくさん払っている人ほど恩恵が受けられます。
シミュレーションの前提条件
- 小規模企業共済に毎月7万円:年間84万円の掛け金
- 貸付は80%で年間67.2万円
- 期間は40歳から65歳までの25年
- 投資は新NISAで非課税
- 想定利回りは4%
所得税20%+住民税10%のAさんの場合
所得税20%+住民税10%
小規模企業共済を25年間続けると
共済金Bの金額は23,906,400円になります。
Aさんの退職金にかかる税金は
退職所得×所得税率+住民税10%
退職所得控除は
(20年×40万円+5年×70万円)=1150万円
退職所得は
(23,906,400-11,500,000)×0.5=6,203,200円
退職金にかかる所得税と住民税は
(6,203,200×0.2-427,500)+6,203,200×0.1=1,433,460円
貸付制度を利用した場合の退職金
小規模企業共済の貸付制度を利用した場合には利息の支払いが必要です。
年間67.2万円の貸付を受けた場合の総額は16,800,000円。
利息の総額は2,782,080円です。
貸付制度を利用した場合に最終的に受け取れる金額は
(共済金Bー税金ー貸付総額-貸付利息)
(23,906,400ー1,433,460ー16,800,000ー2,782,080)
=2,890,860円
貸付金と税金の還付金を投資した場合の最終金額
小規模企業共済の貸付金は年間67.2万円。
所得控除によって年間25.2万円の節税に繋がっています。
貸付金と節税額の総額92.4万円を
毎月の投資額77,000円で新NISAに投資すると
25年後には39,587,975円になります。
小規模企業共済の退職金とプラスして
2,890,860+39,587,975=42,478,835円
4000万円を超える資産を築くことができます。
投資元本は小規模共済の年間84万円を25年間で総額2100万円。
元本に対する最終金額の比率は202%にもなります。
所得税5%+住民税10%のBさんの場合
所得税5%+住民税10%
Bさんの場合も小規模企業共済を25年間続けると
共済金Bの金額は23,906,400円で同じです。
退職所得控除は
(20年×40万円+5年×70万円)=1150万円
退職所得は
(23,906,400-11,500,000)×0.5=6,203,200円
退職金にかかる所得税と住民税は
(6,203,200×0.2-427,500)+6,203,200×0.1=1,433,460円
退職金にかかる税金も同じです。
Aさんと同様に貸付制度を利用するため
最終的に受け取れる金額は2,890,860円となります。
貸付金と税金の還付金を投資した場合の最終金額
小規模企業共済の貸付金は年間67.2万円。
所得控除によって得られる節税効果は12.6万円です。
支払う所得税が低いことで所得控除による節税効果が薄れてしまいます。
貸付金と節税額の総額79.8万円を
毎月の投資額66,500円で新NISAに投資すると
25年後には34,189,615円になります。
小規模企業共済の退職金とプラスして
2,890,860+34,189,615=37,080,475円
3700万円の資産を築くことができます。
投資元本は小規模共済の年間84万円を25年間で総額2100万円。
元本に対する最終金額の比率は177%で
Aさんと同じ元本で同じ投資成績であっても
約500万円の差が生じています。
所得税利率が低い人vs新NISA
小規模企業共済の貸付制度を利用した投資では
所得税率が高い人ほど恩恵を受けることができます。
ただし、所得税率が低い人でも
小規模企業共済の貸付制度を利用した投資の効果はあります。
小規模企業共済と同じ年間84万円を新NISAに投資した場合
25年後の資産額は35,989,068円です。
小規模企業共済の貸付制度を利用した場合との差額は1,091,407円で
新NISAだけを利用するよりも資産の増加が期待できます!
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