【この記事の“価値”と“ご注意”】
筆者は現在、CADオペレーターとして活動しており、この記事は、過去の「Webライター」時代の経験に基づいています。
そのため、クラウドワークスの「画面のUI」や「規約の“細部”」は、現在と異なっている可能性があります。
しかし、この記事の“核心”である、
- 「10万円以下は20%」といった、契約金額に応じた「手数料の“仕組み”(累進制)」
- 「クライアント側の“事情”」と「ワーカー側の“手数料”」の板挟み
という“本質的な問題”は、今も変わっていません。
この記事は「最新の“使い方”マニュアル」としてではなく、 「手数料の“仕組み”を理解し、クライアントと“交渉”するための“戦略書”」 として、ご自身の状況に置き換えてお読みいただけますと幸いです。
(※最新の正確な手数料・規約は、必ずクラウドワークス公式サイトをご確認ください)

クラウドワークスのシステム手数料がめっちゃ高いんだけど。
副業で作業しても手元に残る金額が少ない・・・。
こんな疑問にお答えします。
同じクライアント様から依頼を貰っている場合には、
手元に残る金額を増やすための工夫をする必要があります。
プロジェクトの金額によっては1万円単位で手元に残る金額が変わります。
現在、同じクライアント様からライティングの依頼を5か月連続で頂いています。
最初はテストライティングから始まり、月単位での記事作成の依頼を頂いていました。
1記事あたり5000文字程度で月に5記事、文字単価は1.5円の契約です。
そこから少しでも手残りの金額を増やすためにした工夫を紹介します。
クラウドワークスのシステム手数料の決まり
クラウドワークスのシステム手数料は契約金額によって5~20%と決まっています。
| 10万円以下 | 10万円超え20万円以下 | 20万円超え |
| 20% | 10% | 5% |
・10万円以下の部分:契約金額の20%
・10万円超20万円以下の部分:契約金額の10%
・20万円超の部分:契約金額の5%
また、システム手数料に対して消費税の10%をかけた金額が
契約金額から差し引かれることになっています。
| 契約金額(税込) | 100,000円 | 200,000円 | 300,000円 |
| 10万以下 | 20,000円+消費税2,000円 | 20,000円+消費税2,000円 | 20,000円+消費税2,000円 |
| 10万超え20万以下 | – | 10,000円+消費税1,000円 | 10,000円+消費税1,000円 |
| 20万円超え | – | – | 5,000円+消費税500円 |
| 手取り金額(税込) | 78,000円 | 167,000円 | 261,500円 |
1回の契約金額が10万円の依頼では、
ワーカーが実際に受け取る金額は78,000円となります。
プロジェクトを発注するクライアントは手数料がかからず、
仕事を受けたワーカーが負担することになっています。
さらに1回の契約金額によってシステム手数料のパーセントが変わるため、
同じクライアント様からの依頼であっても契約が完了する度にリセットされます。
例)契約金額10万円(税込)
システム手数料:100,000円×20%=20,000円
システム手数料の税金:20,000円×10%=22,000円
ワーカーの受け取り金額:100,000円-22,000円=78,000円
1か月目に10万円の契約を完了してから
2か月目にも10万円の契約をして作業をする場合には、
1か月目の手残りが78,000円、2か月目の手残りが78,000円で
トータルで156,000円となります。
2回の契約で支払ったシステム手数料は44,000円になります。
文字単価1.5円で作業している場合には、26,000文字相当にあたります。
クラウドワークスのシステム手数料を減らすにはマイルストーン払い
クラウドワークスのシステム手数料を減らすには、
マイルストーン払いを採用する方法があります。
マイルストーン払いは1つの契約の中で数回の支払いを行うことができます。
最初の契約を完了する前であれば、
マイルストーン払いを追加することが可能です。
同じワーカーに依頼する場合には、
クライアントにとっても新しい契約を立てる手間が省けます。
1つの契約の中で作業を続けることで、契約金額が累計されリセットされなくなります。
マイルストーン払いへの変更は条件変更リクエストから行えます。
現在進行中の作業の納品前に行うとスムーズに進められます。
1か月目に10万円の契約を完了する前に
マイルストーン払いで10万円の依頼を追加した場合には、
1回目のマイルストーン払いが完了した時点で78,000円、
2回目のマイルストーン払いが完了した時には89,000円が手残りの金額となります。
さらに3回目以降にもマイルストーン払いを追加することで
システム手数料を減らすことができます。
1回目完了
(100,000円×20%)×税金10%=22,000円
100,000円-22,000円=78,000円
2回目完了
(100,000円×10%)×税金10%=11,000円
100,000円-11,000円=89,000円
3回目完了
(100,000円×5%)×10%=5,500円
100,000円-5,500円=94,500円
毎月1回の契約を3回繰り返した場合には、
システム手数料として66,000円が必要になります。
| 通常契約 | 契約金額(税込) | 手数料 | 手取り金額(税込) |
| 1か月目 | 100,000円 | 22,000円 | 78,000円 |
| 2か月目 | 100,000円 | 22,000円 | 78,000円 |
| 3か月目 | 100,000円 | 22,000円 | 78,000円 |
| 合計 | 300,000円 | 66,000円 | 234,000円 |
しかし3回の依頼をマイルストーン払いで行った場合には、
合計で38,500円のシステム手数料に抑えることができます。
| マイルストーン | 契約金額(税込) | 手数料 | 手取り金額(税込) |
| 1か月目 | 100,000円 | 22,000円 | 78,000円 |
| 2か月目 | 100,000円 | 11,000円 | 89,000円 |
| 3か月目 | 100,000円 | 5,500円 | 94,500円 |
| 合計 | 300,000円 | 38,500円 | 261,500円 |
私がクライアントに「交渉」した実例と、見つけた“罠”
私も過去、継続的に発注してくれるクライアントに対し、「手数料を抑えたい」という理由でマイルストーン払いを交渉し、承諾してもらった経験があります。
【クライアント側の事情】 当時のクライアントは、「月が替わるごと」や「案件ごと(記事ごと)」に契約を分けて管理したい、という事情がありました。
【ワーカー側の“罠”】 しかし、ワーカー(私)にとっては、これが“最大の罠”でした。
クラウドワークスの手数料は「1契約の“合計金額”」で決まります。 契約が「別々」になってしまう(例:月替わりで新しい契約になる)と、その都度「10万円以下の契約」として扱われ、手数料が永遠に20%取られてしまうのです。
【交渉した内容】 そこで私は、クライアントにこの「手数料の仕組み」を正直に説明し、「(別々の契約ではなく)“1つの契約”の中で、支払いを分割する“マイルストーン払い”にしてもらえないか」と交渉しました。
幸い、クライアントには理解していただき、「1つの契約」の中で継続(例:マイルストーン1回目、2回目…)することで、契約の合計金額が10万円、20万円と積み上がり、手数料率を(20%→10%→5%へと)下げていくことができました。
手数料を本気で抑えたいなら、「クライアント側の管理の手間」を理解しつつも、「(別契約ではなく)1つの契約にまとめてもらう」という交渉が、手取りを最大化する上で最も重要でした。
ワーカーの手残りの金額を増やす方法
マイルストーン払いを活用する以外にワーカーの手残りを増やすには、
契約金額を増やす必要があります。
ライティングの依頼を受けている場合には、
記事数を増やすか文字単価を増やすことになります。
記事数を増やせば金額が大きくなりますが、
その分の時間と労力が必要になります。
文字単価を上げてもらう交渉には、
クライアントにとっていい条件を提示する必要があります。
現在が月に5記事の契約の場合には7記事に増やす代わりに文字単価を上げてもらう、
サイトへの入稿や装飾を同時に行うなどの
クライアントにとってのメリットを提示することが大事です。
複数のクライアント様から依頼を頂いている場合には、
文字単価の低いクライアント様から依頼を断ったりすることで、
1か月で作成できる記事数を増やすことも可能になります。
【あとがき】「手数料」の次に、私がぶつかった「単価」の壁
マイルストーン払い(手数料)の交渉は、あくまで「守り」の交渉です。
私が次にぶつかったのは、「“単価”そのもの」を上げる「攻め」の交渉でした。 「手数料」の交渉より100倍怖かった、その“失敗談”はこちらにまとめています。

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